『Coders(コーダーズ) 凄腕ソフトウェア開発者が新しい世界をビルドする』
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「社会を作り変えたいなら、コードを書くのが一番だ」
フェイスブックやツイッター、ウーバー、ペイパル、インスタグラムといった各種サービスを開発・提供する「ソフトウェア開発者」の多彩かつ具体的なエピソードを通じて、彼ら・彼女らはどのように考え、行動し、デジタル世界に大きな影響を与えるソフトウェア/サービスを生み出しているのかを解き明かした読み物です。
デジタル世界、およびソフトウェア・ファーストが浸透するにつれて、社会におけるプログラマーの重要性はますます高まっています。彼ら・彼女らの役割と実態を、IT分野で活躍したい方々はもとより、彼ら・彼女らと接するビジネスパーソンも知ることで、生産性を高め、よりよいサービスを生み出す大きなヒントが得られるでしょう。
ソフトウェアにより世の中が変わりつつあることが明白ないま、企業は、企業の管理職は、コーダーをどのように活用するかを考えなければならない。本書はそのようなコーダーを活用することが必要となった管理職にとって必読の書だろう。
本書の原題は「Coders The Making of a New Tribe and the Remaking of the World 」だ。世界のリメイク。自分の周りや組織、会社など、すでにできあがっているようなものも、いまの混沌とした社会状況の中、再構築が必要だ。コーダーが世界をリメイクする人種であるのだが、あえて逆説的に言うと、世界をリメイクするのがコーダーなのだ。世界をリメイクするために、あなたも本書を指南書として、コーダーになろう。
及川 卓也、「ソフトウェア・ファースト」著者
【登場するコーダーのごく一例】
フェイスブックCEO(マーク・ザッカーバーグ)
ツイッターCEO(ジャック・ドーシー)
インスタグラムCEO(ケビン・シストロム)
ペイパル共同創業者(マックス・レブチン)
ネットスケープ共同創業者(マーク・アンドリーセン)
ビットトレント開発者(ブラム・コーエン)
GNUプロジェクト創始者(リチャード・ストールマン)
COBOL開発者(グレース・ホッパー)
Smalltalk開発者(アデル・ゴールドバーグ)
世界初のコーダー(エイダ・ラブレス)
【登場するエピソードのごく一部】
フェイスブック、「ニュースフィード」での大失敗(ユーザーが総スカン…)
インスタグラム、ユーザーの声なき声にしたがって大逆転
コード・フォー・アメリカ、フードスタンプ・システムの大惨事
ファイスブック、「いいね! 」ボタンの予想外の効果
ペイパル、5昼夜ぶっ続けでコーディング、動くデモを開発
フォースクエア、グーグルでばかにされたが「クレイジーなアイデア」はあった
エイダ・ラブレス、バベッジすら気づいていなかった可能性を見いだす
小池誠、きゅうり選別AIを開発、数週間で判定率を向上(ただし母の識別眼には劣る)
グーグル、画像認識システムでの大失態(ゴリラ問題)
ツイッター、人同士の関わり方を変革、むき出しの悪意も露わに
マインクラフト、プログラミング教育はどうあるべきか
■目次
第1章 リアルを変えたソフトウェアアップデート
フェイスブックの大失敗
コーダーが世界をビルドする
コーディングはなぜ楽しいのか
コーダーの世界を広げる
第2章 4世代のコーダー
コーダーになる人
ハッカーの誕生
ティーンエイジャーの活躍
ウェブサイトが舞台に
オタクからスーパーヒーローへ
第3章 絶え間ないフラストレーションと一瞬の喜び
大惨事が発生するワケ
コーダーに向く人、向かない人
作る人と使う人の攻防
コーダーは単線思考?
コーディングの喜び
第4章 コーダー気質
追求しまくることが大事
三つの特徴とそれへの反論
フロントエンドのコーダーは違う?
エンジニアと非エンジニアの関係
「フロー」状態こそ至上
コーダーのメンタルヘルス
第5章 効率カルト
なんでもかんでも最適化
最適化、自動化の罠
「簡潔こそが智慧の心臓」
食事は5分で
フェイスブックの大失敗(その2)
第6章 10倍、ロックスター、そして、能力主義なる神話
あふれ出るコード
パフォーマンス10倍の腕利き?
優秀だがクズ?
多様性に欠ける?
自由主義者が多い?
クレイジーなアイデアが優る
第7章 消えたENIAC ガール
グーグルが「進んだ」職場?
実は、女性が切り開いてきた
1984年以降、状況が一変
締め出される少数派
画一化が生む不都合
多様性をもたらす改革が必要
第8章 ハッカー、クラッカー、自由の戦士
ハッカーとサイファーパンク
プライバシー重視で権威を嫌う理由
暗号や著作権を巡る熾烈な戦い
陰謀? 被害妄想? 続く緊張関係
悪を考え善をなす
「クソのインターネット」
グレーゾーンをかじったティーンエイジャー
第9章 キュウリ、スカイネット、AI の蜂起
はるかなる人工知能
ディープラーニング一色に染まる
グーグルAIの大失態
機械学習の「偏見」 を減らせ
「スーパーインテリジェンス」への懸念
第10章 スケール、トロール、ビッグテック
ツイッターがもたらしたもの
スケール追求のメリットとデメリット
アルゴリズムの威力
視野が狭くて人を見ない?
世間からの反発に直面する
倫理的な問題と広告からの卒業
内部から改革を進める
第11章 コーディングとは肉体労働とみつけたり
素人を集めてコーディング
一般的なスキルにするには
一人前のコーダーになる
身分制度が生まれる恐れも
プログラミング教育はどうあるべきか
解説 及川卓也